一生ついていきたいと思わせる上司の言葉
先日、前の職場の上司からお祝いが届いた。
ご無沙汰していて、直接会ったのは3年前ぐらいだろうか。定年を迎えたにも関わらず、かつての部下にお祝いを丁寧に送ってくれるあたりさすがである。
直接の利害関係があるならまだしも、そういった損得感情を超えたものに弱い。
昔で言えば、人情というものだろうか。
そんな上司から言われた言葉が何年か経った今も思い出されて、だからあの人は人望があったんだなとも思われた。その言葉とは、、
責任は取る
上司が初めに私たちの職場に来た時に話したことが、
「皆さんは自分が正しいと思ったことを
思い切りチャレンジしてください。
それで失敗したとしても私が責任をとります。
その代わり、自分が良くないとわかっていることは
しないこと。後ろ向きで中途半端なミスは
しないでください。」
そのような内容の話だったと思う。
当時新卒で就職したてだった私は右も左もわからず、迷惑をかけることだらけで本当に失敗を恐れていた。失敗して頼りない、かっこ悪い、大したことないと思われたらどうしよう。そんな思いができなくて当たり前のはずなのに、周りに素直に助けを求めない私の行動をより狭め、窮屈な仕事にしていたように思う。そこにきての、この言葉だ。
どれほど、この言葉に救われたことか。
そして、この言葉には責任逃れはしないというリーダーの覚悟と、仲間を信頼しているという思い。中途半端なことは許さないという厳しさ。さらには、私たち部下も上司からの期待に応えたいと思わせる、という何重もの含みがある。
現に、失敗をしてしまった人もいたそうだが、休日を使って、上司はその担当と一緒に一軒一軒謝罪に回ったそうである。きれいごとだけでない、言行一致の姿も尊敬に値する。
厳しさの中にある優しさ。いや、優しさの中にある厳しさといった方がふさわしい。
最近は職場の中でも様々な価値観、考えをもつ社員が増え、束ねる上司の苦労は大変なことと思う。
ただ、嫌われることを恐れて、なよなよして、おべんちゃらばかりで部下に迎合してばかりの上司よりも、
自分の考えにブレない覚悟をもって、部下の判断、行動を優しさで包み込む上司の方がついていきたいと思うし、もっと頑張りたいと思わせられる。
そんな上司が皆さんの職場にはいますか?