海外旅行で命の次に大切なもの
海外旅行に行った人の話から、「日本ほど安全でよい国はない!」と聞くことがあります。
それは、間違いではないかもしれません。
私も何カ国か海外旅行に行ったことがありますが、日本ほど綺麗で、治安の良さを感じた国はありませんでした。
と言うか、それほど治安の悪さを感じられない、一種の平和ボケをしているのかもしれません。
そんな私が海外旅行で出会った事件について今日はお伝えします。
こんな素敵な場所がいたるところにあるスペイン旅行での出来事です。
バックパッカーとして旅行していた私は、一泊3000円ほどのドミトリーと言われる1部屋に二段ベッドが何個も入っている安宿で宿泊していました。
その日は旅の最終日。バルセロナを立って、カタールのドーハを経由して、日本へと帰る日でした。
バックパッカーズホステルを出て、地下鉄へと歩いているところ、女性に話しかけられたのです。
「肩が汚れているよ!」
英語も堪能という訳ではないのですが、その人が私の肩を指して、何かを行っていたので、そのようなニュアンスは伝わってきました。
空を見上げて、ウェットティッシュを取り出し、
「きっとマンションの出窓から鳩がフンを落としたんだろうね。拭いてあげるよ」
そんな感じのことを言いたげでした。確かに肩口は鳩のフンのような白い液体がついて汚れていました。「何も気がつかなかった。フンがついたのは残念だけど、教えてくれて、見ず知らずのアジア人を拭いてくれようとしている。世界中捨てたもんじゃないな。」
当時の私はむしろこんな形でも外国人と触れ合えて、幸せに感じていました。
まさかこれが悲劇の幕開けとは知らず。
と、バックパックを下ろして、服を拭き終わり、荷物を背負った私は感謝の言葉を丁寧に述べて、地下鉄のホームへと進んでいきました。
改札をくぐり、ベンチで次の電車を待っていた私は、ふとバックパックはあるものの、パスポートや地球の歩き方を入れたショルダーバッグがないことに気が付いたのです。
色々と頭の中で考えを巡らせましたが、置き忘れた覚えもありませんでした。
そこで、不意に先ほどの不自然とも言える親切なやり取りを思い出したのです。
、、、二週間にも渡る海外一人旅で、疲れていた私はなんの警戒心もなく荷物を下ろして服を拭いていましたが、確かにその時荷物を置いて拭いているときに中年の男性がわざとらしく鼻に手を当ててあたかも「フンの匂いが臭い」というようなジェスチャーで横を通っていったのでした。
そう、私は複数人のグループ集団による計画的なスリにあっていたのです。
急いで改札を抜けて、先ほどの現場に戻りましたが、もちろんそこにはカバンも先ほどの人たちもいませんでした。
まんまと親切心につけ込まれてカバンを取られてしまったのです。しかも、カバンの中には、パスポートと地球の歩き方が入っていました。
帰りのフライトはその日の午後3時。その時の時刻は午前11時。すぐにでも飛行場に向かわなければ間に合わない。万が一間に合ったとしても、パスポートがない。
Wifiルーターも登録して来なかった私はなんの情報もないまま、バルセロナに投げ出されてしまったのです。
海外旅行最終日に単身、絶対絶命のピンチに陥ってしまったのです。
この後、どうなってしまったのか。。続く!