海外旅行で命の次に大切なもの 2


imakaharu25.hatenablog.com

 

前回記事の続きです。

早く空港に行かないと、予定のフライトに遅れてしまう。でもパスポートと地球の歩き方をスラれてしまってどうしようもできない。。

そんな絶体絶命のところからです。

天を仰いだことありますか?

まずは気を取り直し、前日に宿泊したバックパッカーホステルに戻ります。

今でもなんて言って話したか不思議ですが、

「道端でバッグを盗られた」

そんな感じの英語だったと思います。

相手がミシュランガイドに載るようなホテルのコンシェルジュなら頼もしいですが、

 残念ながら私が宿泊したのは一泊3000円の安宿。見た目もピアスだらけのお姉ちゃんって感じの、普通に泊まっても「大丈夫かなあ」という子でした。

私のカタコトの英語ながらも内容は伝わり、日本の大使館へ電話を繋いでくれることに。

以下、大使館とのやりとり。

※あらかじめ断っておきます。大使館の方が冷たいように聞こえますが、大使館の方は間違っておらず、至極真っ当にお仕事をされております。

 

私「パスポートを盗られてしまったのですが、今日3時からフライトがありましてどうすれば?」

大使館「それは無理ですね。パスポートの再発行のために、日本から住民票をFAXしてもらって、それからパスポート発行をして、新しいフライトの予約を取っていただきます。今はお昼休み中ですので、諦めて、落ち着いて午後に大使館来てください。」

私「。。。ですよね。わかりました。ありがとうございました。」

 

終わったー。人生終わったー。

 

フライトの予定だと、着いた日の翌日からすぐに仕事の予定だったので←そもそも予定立ててる時点で綱渡り的、ギリギリスケジュール。

フライトに間に合わないと、仕事も数日、下手すると一週間近く休まなくてはならず。いろんな意味で終わってしまうのです。

あの時、全身の力が抜けて天を仰ぐということを本当の意味で初めて人生でしました。それぐらいもう打つ手なし。ギブアップ。白旗状態だったわけです。

捨てる神あれば拾う神あり

ところが、例のホステルのお姉さんが、電話をかけている様子。

どこにかけているのか、よくよく聞いてみると、フライト予約をしていた航空会社です。

そして、なんと私に「空港に行ってみるべき!行った方が良い。乗せてくれるって!」というのです。

いやいや、今大使館の人が無理だから諦めなさいっていったんだと。

 そこでホステルのお姉ちゃんと押し問答。

私「大使館の人が諦めろっていうんだから無理なんだよ」

お姉「いや、あなたは行ってみるべき。」

私「いや、無理なんだって。第一今空港に行っても何にもならないよ」

お姉「航空会社の人は大丈夫だって言っている。万が一、ダメでもまたここに戻ってきたらいい。その時には日本に帰れるまで、ベッドと温かい料理は用意するから」

ベッドと温かい料理は用意する!!!

なんていい方なんだ。こんなたかだか一泊泊まっただけのアジア人に。こんなに人に優しくできる人がいるのか、、

すでにこの言葉だけでも救われた気がして、涙しそうになりました。

ですが、そんなゆっくりしている時間はない。

すぐにタクシーを拾ってもらい、空港へと向かいます。

タクシー乗る前に、意気消沈していた私に「頑張ってね!」とお姉ちゃんがぎゅーっとハグをしてくれました。

こんなにもハグに勇気付けられるのかと驚きましたし、男女の関係を取っ払った、人と人との助け合いや私を思ってくれる気持ちがひしひしと伝わってきて、感無量でした。

 

空港に着いたら、空港にある警察へ。

ホステルのお姉さんがこれまたスペイン語で打ってくれた手紙(私は読めなかったが内容は、私は日本人観光客でパスポートを盗られましたみたいな)を渡して説明をします。

航空会社のカウンターでも、直談判。日本語でも難しいのに、英語ならなお難航。

帰れない理由ならいくつも見つかるのに、なんとかなんでか、あれよあれよと無事に予定通りフライトに乗れて帰ることができてしまったのでした。

 

ここいる奇跡

空港でのやりとりは端折りますが、

私が帰れた理由は

1、パスポートはなかったが、携帯電話や財布はあったこと。フライトのEチケットと免許証は持っており、身分は証明できたこと

2、ホステルのお姉さん、空港会社、警察の方の尽力により、良いように取り計らってくれたこと

特に2の助けてくれた方の善意が大きいです。諦めていたら、違った旅の経験になっていたでしょう。

 

無事に日本に帰れた時には、生きている心地がせず、夢のような、まだ自分の体はスペインにいて、心だけ帰ってきてしまったようなそんな変な感じがしました。

 

日本についてから、早速ホステルに感謝のメッセージを。

これまた洒落た言い回し。

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送られてきたメッセージ

ありがたすぎる。

そして今回の一件で、放蕩息子国境を越えるという感じで、深く反省をしたのでした。

 

ということで前置きが長くなりましたが、

海外旅行で命の次に大事なものは、パスポートでもなく、財布でも、身分証明書でもなく、助けてくれる誰か。さらには、人の善意だということがわかりました。

いや、実際パスポートも大事よ。そして万が一の備えとしての免許証も十分身分を証明してくれます。笑